今回は、かごしま相続相談・支援センターのセンター長が繰り返し読んでいる本に基づく雑感を披露します。
不動産投資(不動産賃貸業)を行っている、又は行おうとしている専業大家さんや副業サラリーマンで知らない人はいないのではないかと、センター長が思っている賃貸経営コンサルタントの第一人者・浦田健さんの著書「利回り20%をたたき出す戸建賃貸運用法」(2006年9月出版ダイヤモンド社)。
その第一人者が「もうアパート投資はするな!」というショッキングなサブタイトルを付している。
不動産ポータルサイトのひとつ、HOME’Sの調査によると、全国の賃貸用住宅の空室率は19.0%(東京都内は14.5%)であり。全国のアパート・マンション(アパ・マン)等の賃貸用住宅のうちの5件に1件は空室という結果。
減少する日本の人口と、毎年次々増えている賃貸住宅数からみると、今後も全国ベースの空室率は上昇していくのは必定。
一方、このような市場環境の下でも、実際に低い空室率を維持している例もある。多くなってきたとは言えまだまだ供給数の少ないペット可物件などなど。
その中でも、センター長一押しなのが戸建賃貸物件だ。
戸建賃貸物件の最大のメリットを挙げれば、
- 借りたいというお客様側からみると、アパ・マンと異なり、上下階や隣室の音があまり気にならないし、小さなお子さんのいるご家庭なら逆にお子さんがのびのび育てられること。
- 貸したいというオーナー側からみると、建設ラッシュの続くアパ・マンに比べ供給数が圧倒的に少なく、潜在的に多くいるとみられる戸建賃貸物件に住んでみたいという層に強力にアピールできることか。
この本に対するアマゾンのカスタマーレビュー(書評)を改めて眺めてみると、既に代々土地を持つ地主でなければできない手法だ、等々結構辛口の評価も並ぶ。確かにそういった一面もあるが万事ではないと思う。
浦田氏の著書に限らず、内容の全て真似るのではなく、また、書かれていることを批判するのではなく、何か良いアイデアが書かれていないか、何か自分でも取り組めることがないか、といった視点で見た方が良い。
もちろん、資産家の方や高給取りなど高い属性を持つ人、又は入居者がいなくてもただただ相続税対策になれば良いという地主さんならば、やはりRCマンションや新築木造アパートという選択になるだろう。
これを否定するつもりもなく、それぞれの事情に合った賃貸物件の建設・購入を検討すればイイこと。
いや、そういった方には、新しい戸建賃貸物件をどんどん建設しないでとお願いしたいくらいだ。
土地から購入し戸建賃貸物件を新築した、もともと地主ではなかった大家の一人として。