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遺産分割協議

大切な方が亡くなり相続が発生した際、遺言が残されているか否かは相続手続に大きな影響を与えることは、遺言書の有無の確認のところで紹介しました。

有効な遺言が残されていて、相続財産遺産)の分け方について記載があれば、各相続人は遺言の内容に従います。

一方、遺言が存在しない場合や、遺言が無効だった場合には、通常は原則として、相続人全員で相続財産の分け方を決めることになります。このことを遺産分割協議といっています。

なお、借金や債務などのマイナス財産は遺産分割の対象とはなりません。

マイナス財産は、相続の開始時に当然に分割されて、法定相続分により各相続人が負担することになります。

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遺産分割協議の手続

遺産分割協議は、相続放棄相続放棄の申述)を行った者を除く相続人全員で行う必要があります。

また、行方不明者未成年者などが相続人になっている場合には、相続人である以上関与させる必要があります。
 
これらの者については、次のとおり、代理の者が本人に代わり遺産分割協議に参加することになっています。

相続人 選任される相続人を代理する者 備考
未成年者 親権者(親権者も相続人になっている(利益相反関係にある)ときは特別代理人) 特別代理人の選任は、親権者等が家庭裁判所に対する特別代理人選任を申立て
申立ての際、遺産分割協議書等利益相反に関する資料が必要
認知症の方など
(判断能力を欠く者)
成年後見人(成年後見人が相続人となっているときは後見監督人。後見監督人も同様のときは特別代理人)
行方不明者 不在者財産管理人 家庭裁判所の許可を得て、遺産分割に参加

遺産分割調停・審判

上記の代理の者を含め相続人全員が一人でも参加していない遺産分割協議は無効となります。

遺産の分割について相続人の間で話合いがつかなかったり、相続人の一人が何らかの事情で遺産分割協議書に実印を押してくれないなど、協議が難しい場合には、家庭裁判所に対して遺産分割調停(事件)として申し立てます。

調停でも話し合いがまとまらず不成立(不調)となった場合は自動的に遺産分割審判へ移行します。審判においては、家庭裁判所の審判官が民法第906条の基準により、各相続人の相続分に反しないよう分割を実行することになります。

申立人 共同相続人、包括受遺者、相続分譲受人
申立先 相手方のうちの一人の住所地の家庭裁判所、又は当事者が合意で定める家庭裁判所
(遺産分割調停は,相続人のうちの1人若しくは何人かが、他の相続人全員を相手方として申し立てるもの)
申立て費用 被相続人1人につき収入印紙1200円分、連絡用の郵便切手
必要書類 【申立書1通、及び相手方の人数分の写し】
【標準的な申立添付書類】
・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・相続人全員の住民票又は戸籍附票
・遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書及び固定資産評価証明書,預貯金通帳の写し又は残高証明書,有価証券写し等)
・上記の共通書類のほか、ケースに応じた戸籍謄本等が必要

遺産分割協議書の作成

相続人全員で協議が整ったときは、その内容を書面にする義務はないものの、後々のトラブルを避けるために、相続人全員がその内容を承諾したことを証しておきます。

具体的には、協議内容を記載し、相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付した遺産分割協議書を作成するのが一般的です。

また、遺言書が残されていないなどの場合、この協議書は、整った協議内容に従って、預貯金の名義書換えや引き出し、相続登記など様々な名義変更の手続に必要となります。

このほか、相続税の申告の際の添付書類となっていますので、遺言書がない場合には、申告期限相続の開始のあったことを知った日に翌日から10か月以内)のうちに、速やかに作成する必要もあります。

遺産分割の方法

現物分割 不動産は妻Aに、預金は子Bに、その他の財産は子Cにというように、どの相続財産(遺産)を誰が相続するかを決め現物のまま分ける方法
代償分割 一部の相続人が分割しづらい相続財産(例えば不動産など)を多めに分ける代償(法定相続分からみた不公平を解消する方法)として、他の相続人に対し「代償金」を支払う方法。
なお、この方法による場合、代償金を支払うこととなる相続人には多額の金銭が必要となる。
換価分割 例えば、不動産のみが相続財産である場合、その不動産を売却しその売却代金を相続人間で分ける方法。
ただし、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」はありますが、換価分割のデメリットとして、売却時に譲渡所得税の課税があること、売却費用の掛かる点が挙げられる。
「現物分割」としての共有分割 例えば、自宅などの相続財産を遺産分割協議や法定相続分に応じて共有する方法。
ただし、共有分割のデメリットとして、共有者間の意見がまとまらず売却や賃貸しづらいことや、次の代の相続発生時にも複雑となることなど、将来的には必ず何らかの支障の生じる恐れが高く、多くの専門家は「単なる問題の先送り」としてお奨めしていません。

協議書作成の際の留意点

遺産分割協議遺産分割協議書の作成)の際はもちろん、遺言書の作成に当たって、留意しておくことが求められる事項をみておきましょう。

遺留分 ・相続人に最低限保証されている相続分のこと
・残された遺言により遺留分が侵害された場合に請求可能。このため、後述する遺留分の減殺請求が行われない限り、遺言書自体は有効
遺留分減殺請求 ・遺言や生前贈与によって遺留分を侵害された相続人が、自分の遺留分を侵害して財産を取得しているそれぞれの者に対して行うもの
・内容証明郵便で送るのが一般的で、遺留分が侵害されたことを知ったときから1年以内(消滅時効)、又は相続開始のときから10年以内(除斥期間)に行使することが必要
・内容証明郵便で相手が応じない場合は法的手続を取る必要あり
寄与分 ・相続人の中に、被相続人の事業や財産の形成、療養看護(通常の扶養義務を相当超える必要あり)などの貢献により、財産の形成や維持に特別に寄与した人は相当分を取得可能
・通常は、相続人の協議又は家庭裁判所の審判により算定
特別受益分 ・相続人の中に、高額な結婚費用、不動産そのものや住宅費用、日々の生活の資本などとして財産を譲り受けた人がいる場合には、相続人の間で不公平とならないよう、この財産は事前に相続したものとして取扱(特別受益分の持ち戻し)
・特別受益分の判定は、相続分に大きな影響を与えるため相続でよく争われるポイント
・なお、この特別受益分は、相続税課税の算定基礎となる、被相続人が亡くなる前3年以内に贈与された生前贈与財産の仕組みとは異なり、3年を超えていても「特別受益に当たる生前贈与」として判断される可能性あり(注参照)

(注)最高裁判所も、「特別受益にあたる生前贈与」は、特段の事情のない限り、相続開始の日より1年以上前のものであっても遺留分減殺の対象になるとしています(平成10年3月24日)。
 
 

鹿児島の相続相談、遺産分割協議作成サポートなら

今回の「遺産分割協議」の記事はいかがでしたか。難しかったですね。

でも大丈夫です。

難しかったという方は、遺言が存在しない場合には、「相続人全員で相続財産の分け方を決めること(協議する必要のあること)」「協議は、遺留分特別受益分なども考慮・念頭におき行うのが望ましいこと」の2つを覚えていただければと思います。
 
それにしても、大切な方が亡くなった後に、こんな遺産分割協議を何ごともなく整えるのは骨の折れることです。

それでも、相続人全員が多少の不公平感を持ったとしても協議を整えられれば良い方かもしれません。
 
あなたが亡くなった後、相続人間で争いが発生することを可能な限り回避する方法があります。

それが、あなたが亡くなる前に、亡くなった後のことを考え、残された方にもご自身の希望を伝えることのできる、無効とされることができるだけ無いようにきちんとした手続を踏んで作成した遺言書だと考えます。
 

かごしま相続相談・支援センターでも「遺産分割協議書」作成のお手伝いが可能です。

遺産分割協議が必要なケースや、その方法などをご紹介することも可能ですので、まずは、個別の無料相談会や勉強会などにお越しください。

ご相談だけでしたら、もちろん無料です。

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