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鹿児島県内の農地4割、相続未登記

2016/04/01

今回は、南日本新聞(平成28年3月31日付)にあった記事から一部引用しながらお届けします。
 

「鹿児島県内の農地の約4割にあたる5万9870ヘクタールが、登記上の所有者がすでに死亡している相続未登記など、国が進める農地集積の支障となる状態であることが30日分かった。相続未登記農地の実態が県単位で明らかになるのは、全国で初めてとみられる」としています。

「調査の基準日は2015年6月1日。県が県農業会議に委託して調べた結果、農地台帳の所有者と、固定資産台帳の納税者が一致しない相続未登記が疑われる面積は、県全体の農地(15万6800ヘクタール、三島・十島を除く41市町村)の38.2%を占めた。」

「市町村別では19市町村で40%以上となり、7市町村は50%を超えた。」

鹿児島県では、「権利関係が複雑な農地は集積の障害となる。」、「相続未登記地は今後ますます増える。納税管理人の了承で土地の貸借ができるといった、実効性ある制度改正を国に要望したい」としています。
(以上、引用終わり。)

相続登記が都度つどに行われていないと・・・

上記記事の主題は、国が農業の競争力強化を目的に農地集約を進めている中、鹿児島県内において約6万ヘクタールもの農地が集積(集約)困難だ、とするもののようです。

実態に合った登記が行われていないのは、手続そのものに期限が無いこともあって、いろいろな事情から、いつか行おう、必要が出できたとき手続しようと先延ばしされているものがほとんどです。

また、市街地にある宅地でさえ行われていないのに、農地の場合は、一反(約991㎡)当たり1万円の値も付かないものもありますから、登記のための手間・費用を積極的に掛けたくないとする事情もあるでしょう。

ただし、農地に限らず土地・建物(不動産)については、その時点での本来の所有者が、売買や貸し借りの当事者になります。

取引の相手方は登記簿などを確認して売買などを行う訳ですから、登記上の名義人に相続が発生している場合には、安全な取引はもとより、どのくらいの手間ひまが掛かるのかも分かりませんので、どうしてもその不動産が必要ということでなければ、取引を躊躇するのが自然です。

例えば、数世代にもわたって相続登記が未了であるものは、そもそも相続財産分割の話し合いも持たれていない可能性が高いので、十数人、あるいは数十人いるかも知れない相続人全員の了解が必要となります。

ちなみに、農地の例ではないのですが、次のとおり、事業が難航している例もあります。

①取得予定用地が明治時代の共有地のため、相続人調査の結果、相続人は 500 名を超え、複数の不明者がいることも判明するなど、相続人の追跡が困難だった都道府県による国道改良工事の例

このほか、②相続人が海外移住等しているため、③戸籍不明のため、相続人の追跡が困難だった国土交通省による用地取得事業の例なども、全国には多々あるようです。

相続登記は当世代の努め

考えただけで、気の遠くなる話です。

相続登記は、可能な限り、相続発生の都度つどに行っていただきたいとする所以です。

繰り返しになりますが、不動産を相続しても、法律上、相続登記、つまり所有権移転登記(名義変更)を行う義務はなく、放っておいてもペナルティーはありません。

しかし、相続登記を放っておいた場合には、次のようなデメリットがあります。

  • 不動産の売却や、担保提供(抵当権設定)が行い難いこと
  • 他に相続人がいる場合、その持ち分を自由に処分される可能性のあること
  • 時が経つほど相続人が増えるなどにより、登記手続のための手間ひま・費用が掛かることが多いこと

相続登記の放置にメリットはほとんどありません。

相続登記をきちんと済ませた上で、次の世代に引き継ぐのが当世代の努めだと考えています。

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